父という病(著者:岡田尊司) 父親不在の社会が今の日本の姿

父親不在の社会(ファザレス・ソサエティ)のままでいいのか?

子どもにとって、父親とはなんなのか?
子どもの育ちにとって、本来、父親にはどんな役割があるのか?
父親不在の社会が、子どもたちの育ちに与える影響は?

そんなことが、実例を示しながら、解説されている本です。

父親の存在は、母親の生物的つながりよりも薄いのは否めない事実。
じゃあ、父親がいなくてもいいのか?

いや、そうではない。
子どもが育つ過程において、母親同様、父親の存在も不可欠である。
父親が不可欠というのは、父性が不可欠と言い直してもいい。
だから、実際に父親がいるか、いないかではなく、その子供に父性を与えうる人がいるかどうかということ。

子どもが、父親と母親のもとで育つ中で、父親が子供との時間を共有できているのか?
それが、子どもが健全に育っていく中で必要な要素の一つであることは間違いないのである。

著者の岡田尊司さんは、精神科医です。
数多くの臨床経験や研究結果から、たづざわっている患者さんのデータ的見解も含まれているのですが、難しい表現はなく、非常に読みやすい本です。

著者の岡田さんが心配しているのが、父親不在の社会=母子融合の社会が広まりつつある点。
母親のみに、育てられた子供たちの育ちにおいて、良くない状況が生まれている客観的事実としてとらえ、改めて父親の役割を明確に書いてくれています。

育児は妻に任せておけば、妻と妻の母親に任せておけば安心というパパ、自分が楽したいばかりにそう思っているとすれば、父親不在の家庭で育つ子供の将来に大きく影響することがわかれば、しっかり育児をしようかなという気になると思います。

また、旦那は育児に邪魔だから帰ってこないでいい、お金だけ入れてくれればいいというママも、できればパパと粘り強いコミュニケーションを取り、父親の存在感を取り戻したいと思うんじゃないかな?

今の社会のあらゆる問題の根底に「父親不在の社会」(ファザレス・ソサエティ)の影響があるとしたら…
そう考えると、この問題を解決していくために、動いていきたいなと思いました。