第一回 「イクボス式教育」フォーラムに参加してきました

「イクボス式教育フォーラム これからの人材育成と子ども教育とは」に参加してきました

ファザーリングジャパンの、姉妹NPO法人コヂカラニッポンが主催する「イクボス式教育フォーラム」に参加してきました。
イクボス式教育フォーラム
何かと話題の「イクボス」が部下の育成という面だけではなく、育児にも共通するということで「イクボス式教育」。

イクボス式教育の発起人、元祖イクボスの川島高之さん曰く、会社で採用する若者は、学歴も高い、勉強もできる、MBAなどの資格取得にも熱心だが、実際は仕事に使えない人材があまりにも多すぎるというのが現状だそうだ。

親が必死に働いて、多くの時間と学費を割いて育てたわが子が、社会で使えない人材に育ってしまうと考えてみたら、ゾッとしませんか?
今の時代に合った教育、今の時代の親として、どういった指針で育児をしていくのか、そのヒントが満載のフォーラムでした。

登壇者の方々のお話を聞いて、私の個人的な見解を備忘録として残しておきたいと思い、この記事を書きます。
イクボス式教育フォーラム

イクボス式教育の定義と10ヵ条

定義 「わが子のチカラを信じよう!」

10ヵ条(主語はすべて「親は」)
1. 共感
わが子の大切にしていることや夢に共感し、応援する。

2. 待つ
わが子のチカラを信じ、主体性をもたせて水漬から育つのを待つ

3. 多様性
わが子に「他人と違いがあること」が当たり前だと伝え、ありのままを受け入れる

4. 知識
学校や教育のおかれた現状や、社会で求められている人材などの知識を有している

5. 自由と責務
好きなことをやっていいというのと同時に、やるべき責務があることの両方を、わが子に伝える

6. 聴くと伝える
わが子の話や気持ちを聴く。また、親の気持ちや大切にしていることを素直に表現し、わが子に伝える

7. 時間捻出
塾や習い事だけで、わが子を多忙にさせず、何もない時間や家庭で過ごす時間も充分にもち、子どもが自分で考えて生活できるようにする

8. 社会の窓
社会と接する機会を与えるなど、わが子にとっての「社会のウィンドウ」になる

9. 応援団
わが子を応援してくれる先生・教師(学校、習い事、地域)の最大の応援団となる

10. 自己成長
子育てが、親自身の成長につながることを理解し、仕事や人格形成に役立てる

青野慶久さんの講演「私が考えるこれからの人材」

 
サイボウズ株式会社の青野社長のお話は何度も聞いていますが、軽妙な語り口でズバズバと本質を突くのが聞いていて本当に気持ちがいい。
青野慶久
今回は会社経営者として、これから必要とされる人材というテーマに子育てを絡めての話。
子育てと対比して、以下の4点が中心でした。

1. 多様性(個性)を尊重できること
  自分と違う働き方等を認め、同じじゃないこと自体を問題としない。

  子育てで言ったら、親の理想を押し付けない。違っていいことを伝える。
  これは、イクボス式教育10ヵ条の3.多様性ですね。

2. チームの理想に共感して活動すること
  やっていること、場所はバラバラなのに一体感がある

  子育てでいうと、高い理想、大きな夢・目標を軽視しないこと。
  例えば、プロ野球選手になりたいという子供の夢を自分の子供だから無理とか、はじめからできっこないという思いで接してしまうことは大きなマイナス。
  これはイクボス式教育10ヵ条の1.共感ですね。 

3. 公明正大に行動できること
  アホはいいけど、嘘はダメ。
  たとえば、遅刻して寝坊しましたと正直に言うのはOKだけど、寝坊したのに電車が遅れた等など嘘でゴマかすのはNG。
  多様性が進んでいくと、本人の言動を信じる以外になくなるので、信頼を裏切ることが最悪。

  子育てというか日本人の最悪の慣習、本音と建前が最悪。
  子どもに対してはもちろん、本音と建前を使い分けること自体が嘘をついているということ。
  本音でしっかりと、伝え合うこと。

  イクボス式教育でいうと3.多様性と6.聴くと伝えるですね。

4. 自立(選択と責任)し、議論できること
  自分の意志で選択し、周囲を動かせること
  
  子育てで言うと、子どもに選択させる、子どもと話し合いをすること。
  逆のパターン、多いんじゃないかな。
  親が決めて、親の言うことを聞きなさいと言ってしまう。

  子どもの時から、子ども自身で選択させて、子ども自身の意見を発言できないと、大人になってから急にできるようになるものじゃないから。
  失敗はなるべく早くした方が、その子の人生への影響も少なくて済むというのは、ちょっと考えればわかると思うんだけどな~

そして、毎回のようにお話してくれますが、説明責任があるとはよく言われますが、質問責任も同じようにあると。
わからないことがあったら、その場で質問して解決すること。
質問もせずに、あとから文句愚痴を言わない。

そして、質問責任と説明責任を建設的議論で果たすためには、問題解決メソッドというスキルが必要だと。
事実と感情を切り離し、事実を踏まえ、伝えた上での議論を通して問題解決をしていくという共通のスキルとルールが必要。

ということで、今回のお話は、子育てについてはもちろん、私の主催するビジネスコミュニティ(チーム)の運営についてもとっても参考になりました。

高倉千春さん講演「これからの世代の人財育成」

味の素株式会社 グローバル人財マネイジメント部長の高倉さんの話は「日本の企業・教育はこれでいいのか?」という話から始まりました。
外資系の会社で働いてきた経験から、日本人は人と同じことをやるという点においては非常に優秀だが、それ以外の面では使えない人材が多すぎ、それは、教育、特に家庭教育に原因があるのではと。

これからの教育の目指すところは、一律に同じことをさせて育てるのではなく、自律的成長が出来る人財の実現。
そのために、多様性の重視ができ、他律ではなく自律という教育に変えるには、ジワジワの変化では無理で、一気に変えていく必要があると感じているとのこと。

世界ビジネスコンテストでは、日本の小学生は毎年ベスト3に入ってくるほど優秀だが、中学生、高校生となるほど上位には入れなくなり、大学生になるとベスト20にも入らない。
今の日本の教育をすればするほど、世界との差が広がっていくという事実から見ても、日本の教育を変える必要がある。

周りを動機付け、行動を起こさせる人財を育てるという点では、青野社長と共通している部分。

そして、日本人は優秀ではあるけど、積極的に人に伝えるという点では、日本以外の国の人財には劣ってしまう。
主体的、積極的という部分に関しても、変えていく必要があるのではということでした。

最後に次世代への期待ということで以下の5点を挙げていらっしゃいました。

1. 視野を広げて、未来を考える
2. 果敢に挑戦する
3. 失敗に学ぶ Fail Early,Fail Often
4. 多様な人々とチームを作る
5. あなたらしく Authentic Leadership

やはり、イクボス式教育に共通している部分が非常に多い内容でした。

高橋俊之さんの講演「大学が目指す人材育成」

立教大学 特任准教授の高橋俊之さんは、全員がリーダーシップを発揮できるための教育(ビジネス・リーダーシップ・プログラム 通称BLP)を1年の全経営学部生に教えているとのこと。

BLPの詳細はこちらをクリック

リーダーシップの定義は「主体的に動ける人」「人間と関わる中で成果を上げていける人」の二つ。
今後、機械化やAI化が進み、人間がやる仕事が減っていく中で必要とされる人材でもあります。

BLPについて印象に残ったことは以下の2点。
1. 振り返りは反省ではなく収穫の場だと考えている
  ついついまとめとなると、反省会になってしまうが、それを収穫と考えるとポジティブな場になる。
2. 自分がやったことで人が喜んでくれたという体験を通じ、自信となるとともに、楽しいと感じる。
  やっぱり、何事にも楽しいは大事。楽しければ、またやりたくなる。継続できる。継続できなければ、何も実現はしない。

イクボス式教育とやはり同じ部分がほとんどで、大学生じゃなくて、もっと早くからこういった教育はできると感じた。
むしろ、早ければ早いほど、早く深く心に刺さるのではとも思いました。

中原久子さんの講演「子どもの力を信じよう」

NPO法人コヂカラニッポン理事の中原さんは、コジカラニッポンでこれまで実施してきたプロジェクトの話をベースに、体験学習の大切さと必要性を説き、今の学校教育だけでは子どもたちは社会人になることはできないと語られました。

NPO法人コヂカラ・ニッポンのプロジェクト詳細はここをクリック

子どもたちの行動プログラムを大人が作るのではなく、子どもたちに任せることが必要。

子どもたちに任せることがなぜ必要なのか?
1. 指示待ち人間
2. 自分の意見を持たない
3. 新たな発想が生まれない

人財が生かされず、チームの停滞につながる。

まさに、今の日本の停滞って、こういうことが原因の一つじゃないかって、私も思います。
だからこそ、子どもの教育に関しては特に、詰込み型ではなく、自分たちで作り上げていく過程を、どれだけ積み上げることができるかが重要なんじゃないかって考えます。

亀有のお祭りで、子ども会のお店の一つを、子どもたちに企画から運営まで任せたいな~と私自身、目論んでいます(笑)

林田香織さんの講演「子どもの力を信じよう」

NPO法人コヂカラニッポン理事の林田さんは、家庭での教育について話してくれました。
私も思うところは、同じ部分がすご~くあります。

今の日本での家庭教育について、親自身に時間的余裕、精神的余裕、しいては経済的余裕がないため家庭教育が乏しいものになっている。
今話題のワンオペ育児を、ツーオペ、マルオペにどんどん進化させていって、まずは親自身の余裕を取り戻すこと。
そのためには、役割分担型夫婦ではなく、家事育児一人で何でもこなせるジェネラリスト型夫婦が理想。
そのうえで、親自身に「ゆとり」が生まれると、子どもがコヂカラを発揮できる環境になる。

変化する子供の役割

・産業化以前の家族「家族全員が生計のために働く」
 子どもは重要な働き手であり、子どもが家庭や地域で活躍していた

・高度成長期の家族「夫は仕事・妻は家庭」
 子どもは勉強と遊び。その合間にお手伝い

・1990年代後半~2000年代の家族「男も女も仕事も家庭も」
 子どもは勉強。労働は免除されるべき保護されるべき存在。

子どもの役割の変化により、子供の成長する機会が奪われている。
これは、凄く実感していて、私自身は現在43歳で高度成長期に育ってはいるんだけど、両親、祖父母が駅の売店で働いていて歩合制で給料が発生していたので家族総出で日曜日以外は始発から終電までお店を開けていました。
そういった環境で、私自身は小学校3年生くらいから夏休みや長期の休みになると始発からお昼ぐらいまで一緒に駅の売店で働いていました。

その後、駅の売店以外に親の仕事が変わっても、成人するまで何だかんだ親の仕事場で働いていました。
なので、産業化以前の家族に近い部分で育ってきたのかなと。
そのおかげで、色々なことを覚えたし、同世代の人たちと違う価値観があるんじゃないかなとも思っています。

林田さんの話で、印象に残ったのがもう一つ。
子どもには「集中力」ではなく「夢中力」がある。
一つのことに夢中になったら、ずっとそればかり、飽きるまでやり続けると。
ただ、親に余裕がないと、その夢中力を育てることが出来ず「早くしなさい」と中断させてしまう。

それ、実際にあるな~と。
できるだけ放っておいてあげたい部分があるけど、実際に常にできているかというと、どうかなと。
これから、出来るだけ意識しよう。

生重幸恵さんの特別講演

文部科学省 第8期中央教育審議会委員を務める、生重さんが急遽、お話しくださいました。

とにかく、インパクトが強い方で、熱かったです。
2020年、2021年に日本の教育が変わることが決まったことを教えてくれました。
主体的、能動的に動ける人財を育てる教育に変わると。

問題点は、先生が変われるか、親が変われるか。
そして、地域と学校、親をサポートする組織も、これからできていくとのこと。
今のままじゃないということが分かっただけでも、収穫でした。

パネルディスカッション「これからの人財育成と子ども教育とは」

休憩をはさみ、登壇者の方々に加え、前AERA編集長の浜田敬子さん、ファザーリングジャパン代表の安藤哲也さんを加えた8名の方々でのパネルディスカッション。
イクボス式教育

ざっくばらんに、色々な話が出ましたが、私が印象に残った言葉を書きます。

・子どもの興味を持ったことにフォーカスする
 親がそれを時間的、経済的にできる、できないの格差がある。

・子育てではなく、育ちであり、家の中で両親が笑っていること、親が人生を楽しんでいる姿を見せること
 これは、私も常に意識していて、大人になるって楽しいことだよ~と伝え続けたい。

・子どもの話を聞くときは30秒でいいから、正面から顔を見て傾聴する。
 パソコン画面を見ながら返事だけするのはダメだよ、子どもが自分のことを親がちゃんと見てくれているという意識を持たせることが大切。

・子どもに与えることを、親が我慢する。
 子どもは与えられすぎていて、自分自身で考えたり成長することができない。
 親の過剰感があり、与えずに何もない中で勝手に遊ばせることも必要。

・家庭内で生活をした経験がないまま大人になってしまう
 家族の時間をできるだけ持つことが大切

・与えられ続けている教育自体が失敗
 日本の学校教育を変えていく必要がある

高橋准教授から、子どもに一つだけ伝えられるとしたら何を伝えるか?という問いかけ。
・一人で生き抜く力=自立
・チーム力 人の話を聞ける力
・自分から掴み取る力
・人に頼る力 自分だけではすべてはできない
・安心感 帰れる場所が親
・「ありがとう」といわれることに味をしめてほしい

この中で、自立してほしいのは当然として、人に頼る力って幸せに生きていくうえで、すご~く大切だなと、改めて思いました。特にママさんたちなんだけど、全部自分一人でやろうとしすぎていて、パンクしている人がたくさんいると思う。
もっともっと、周りの人に助けてもらってもいいんじゃないかって思っています。

「ありがとう」と言われることに、味をしめてほしいというのも、面白い視点だけど、実際に今の自分は、その気がある(笑)
自分がやりたいことを積極的にやる原動力の一つに「ありがとう」と言われることがありますからね。
ぜひ、わが子にも、その嬉しい幸せな気持ちを伝えたいと思う。

そして、まとめに、親としてこれから子どもたちにどういった環境を用意していくかという観点。
・管理すること、管理されることに慣れすぎている
 管理=安心

・子どもを暇にさせてあげる
 自立的に成長できる時間がない。遊ぶことが成長につながる。
 ボーっとできる時間と、安心できる場所を作る。

・育つのを見守る
 子どもの人生は子どものものという原点に立ち返る。
 親の言うとおりにしか動くことことができないのでは、成長ではない。
 自分で選択して、自分で決断して、より良い人生を歩んでいく力をつけることこそが必要。

とっても有意義なフォーラムだったとともに、今後の自身の人生にとって大いなる参考になりました。
イクボス式教育
フォーラムの後は、登壇者の方々を含めお酒を飲みながらいろいろと話が出来ました。
最後に、NPO法人コヂカラニッポンの代表であり、元祖イクボスの川島高之さんとパチリ。

ありがとうございました。
イクボス式教育

葛飾区子ども子育て会議の区民委員になりました。

子ども子育て会議とは?

葛飾区子ども子育て会議の区民委員を平成29年度から2年間やらせていただきます。

そもそも、子ども子育て会議とは?
2012年に成立した「子ども・子育て支援法」に基づき、各自治体で設置することになりました。

内閣府のHPでは以下のように解説されています。
「有識者、地方公共団体、事業主代表・労働者代表、子育て当事者、子育て支援当事者等(子ども・子育て支援に関する事業に従事する者)が、子育て支援の政策プロセスなどに参画・関与することができる仕組みとして、国に子ども・子育て会議を設置しました。」

色々な価値観を持つ人たちが集まり、子育て支援の政策プロセスについて、あれこれ意見を出し合って、より良いものにしていこうということかな。

その中で私は、子育て中のパパとして「子育て当事者」の立場で、葛飾区子ども子育て会議の委員を務めさせていただくわけです。
基本的には、各自治体でそれぞれ設置されていて、各自治体における子ども子育て支援に関する政策について議論する場です。

葛飾区の子ども子育て会議は、どのようなことが議論されているのか?

私自身、来年度からということで、まだ参加したことはありませんが、現在、子ども子育て会議の委員をしている方からのお話では、待機児童問題、待機児童解消の議論が中心になっているとのこと。

子ども子育て会議ですから、本来であれば、子どもたちの育つ環境を自治体としてどのように、より良いものに整えていくのかということを、あらゆる角度から検討していくことが筋だと思いますが、残念ながら、現状ではそうはなっていないとのこと。

ということで、私自身、育児家事を父親が主体的に担うことで、子どもたちの育ちの環境が今よりも充実してくること、母親の抱える子育ての負担を軽くするために、もちろん自治体や子育て支援団体からの助けも必要な部分はあるが、まずは家族としての助け合い支え合いながら生きるという基本に立ちかえることの重要性、そして、なにより、子どもたちの育ちを邪魔しない家族環境、学校教育、地域での教育というあらゆる面からのフォローと見守りの重要性を、問題提起し、問題共有し、議論を発展させていきたいと思っています。

待機児童問題は、そういった中の一つの議題ではあるけれど、そればかりが話の中心になってしまう会議の趣旨ではないはず。
保育所の環境整備以前に、親の働き方、家族内での意識共有ができていない、地域との連携ができていない、などなど、根本的な価値観の変革を喚起していかない限り、解決から遠ざかっていくことを、しっかりと問題提起していきたいと思っています。

さて、どんどん学び、どんどんアウトプットしていくぞ~

ちなみに、過去の葛飾区子ども子育て会議の議事録に関しては、葛飾区の公式ホームページより確認いただけます。
これまでの葛飾区子ども子育て会議の議事録等の資料はこちらをクリック